地域三世代子育て支援事業

少子高齢化社会の進展にともない、核家族化が一般的となり、自分の子供を産むまで赤ちゃんを抱いたことのないお母さん達が増えています。子どもの夜泣きなど近隣に迷惑をかけてはいけないと、過剰に心がけ、密室に引きこもって乳幼児を育てているのが現状です。

そうした方々の中には、マスコミの育児情報に振り回され、育児不安に陥ったり、また、新聞では幼児虐待の報道が後を絶ちません。

このような子育て中の親御さんや、次世代を担う子ども達を、地域のおじいさん、おばあさん、おじさん、おばさん達が手助けをして、一緒に子育てに関わっていく社会を創っていきたいと考えています。

WACでは平成11年度より、社会福祉・医療事業団の助成を受け、中高年による「地域三世代子育て支援事業」を推進し、「地域三世代子育て支援研修会」の開催や、多くのモデル事業なども展開してきました。

その結果、保育園の送迎、一時預かり、産前産後の家事援助、育児困難家庭の家事援助、休耕地を活用した自然農園教育、手作りおもちゃ指導、伝統遊びの継承、おもちゃドクター、親子のたまり場づくりなど多種多彩な活動が展開され、WACの子育て支援活動の輪が全国各地に広がってきました。

中高年による地域三世代子育て支援は、中高年の生きがいづくりに役立つだけでなく、親世代を積極的にサポートすることで乳幼児虐待予防にもつながることがわかりました。

また、子ども達は中高年から伝承遊びや生活の知恵を学び、手先の器用さを取り戻したり、生活能力を高めたりしています。子ども達も多世代の人々と関わることで、成長し、逞しく育ちます。

そして何より、元気に明るく生きている中高年の姿を見せることで生きることは楽しいことだと伝えられます。

このように、子どもの育ちにも、中高年の生きがいにも双方向に良い関係を育む地域三世代子育て支援を通じて、子育てや子育ちが楽しいと思える社会を構築していきたいと考えています。