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日本自転車振興会補助事業

2003年10月、新潟で開催

第2回地域福祉推進コロキウムのご報告
場が人をつなぐ、人をいかす

第2回地域福祉推進コロキウムは、昨年に引き続き新潟市で2003年10月11日・12日の2日間、新潟市の総合生協会館で開催されました。少子化・高齢化がとどまることなく進行中の日本において、年をとっても安心して暮らしていくためには「自分たち自身でいかに住みやすい地域をつくっていくか」が大きな課題です。若い人も高齢者も、だれもが自分たちでできることをやりながら、お互いに助け合って暮らしていける地域づくりを進めていくために、先駆的な事例に学びつつ、自分たちの地域における「場づくり」について考えてみようという企画でした。

〔1日目〕
 さわやかな秋晴れの下、1日目のプログラムが始まりました。
 まず、横溝雅夫・WAC理事長が「中高年がイキイキするためには地域が元気であることが不可欠。日頃皆さんが感じている疑問などをぶつけ合って、大いに学び合いましょう」と挨拶。

 つづいて、「できることを、進んで参加」と、長谷川義明・前新潟市長の講演です。亡くなられた奥様の介護をしながら12年間市長を務められ、退任された現在、ボランティア活動に積極的に携わったり、NPO法人を立ち上げたりして、地域で活躍されています。「一人一人が持っている力を社会に貢献すること。利益を上げることだけが能じゃない。自分の力で地域の役に立つこと。元気で社会参加を!今は、60歳になったからといって隠居する時代じゃない」と力説。ご自分の活動経験を踏まえながら、特に男性たちに向けて社会参加を呼びかけました。

 シンポジウム「地域における場づくりと定年後の男性の社会参加」を、清水義晴さん(「えにし屋」主宰)のコーディネートで、3人のパネリストが報告しました。

高畑敬一さん(NALC会長)
 「ボランティアは趣味や特技を生かして、誰でもが、できることを、できる時に、できる方法で参加すること。NALCは、自主・助け合い・生きがいを目的としている。今まで会社人間だった男性向きの、たとえば移送サービスや日曜大工のような仕事の開拓が必要だと思う」

山﨑ハコネさん(「からし種の家」施設長)
 利用者とともにつくるついの住処作りということで、「利用者を制度に当てはめて通り過ぎてきたケースがたくさんある。しかし、一日でも放っておいたら死んでしまう。そういう人たちの人生を豊かにし、安らかな気持ちで死ねるようなサポートをする。利用者もスタッフも近所の人たちも一緒に、安心して暮らせる場所を作ろうよ。残された時間を自分の望むように過ごせること、そのことをみんなが大事だと思うこと。そんな地域が必要だと思う」

米山孝平さん(「流山ユー・アイネット」理事長)
 「自治会で、助け合いのシステムを作ろう」と団体を立ち上げました。主婦の余暇時間の活用、男性も、これまで会社で培ってきた力は地域の力になる。お互い、あまり無理せずに参加すること。夫婦での参加も楽しい。最初は予算もなく支援もなく、年会費と寄付だけだった。しかし、マネジメントをしっかりやっていけば、団体に対する地域の評価は自然についてくる。企業のOBやOGに手伝ってもらったり、行政ともお金の支援はなくても情報交換し、ネットワークを作って、それを生かしていくことが大切であると思う」

最後に清水さんから「今回は大切なことをたくさん教えられた気がする。弱さを自覚することの価値、それぞれができないことをお互いに認識しあうことで、人とのつながりが生まれてくる。そして、自分サイズでできることをしていく。そこに豊かな社会ができあがっていくだろうという予感がして、これからが楽しみですね!」と締めくくられました。

〔2日目〕
2日目は午前10時からスタート。午前中は2つの分科会に分かれてそれぞれ議論を深めた後、午後からは分科会報告で、参加できなかった部分を共有しました。続いて、このコロキウムのために制作されたビデオ「広がる地域の茶の間」が上映され、最後は河田珪子・まごころヘルプ室長と田中尚輝市民協事務局長によるユニークな対談で、参加者は多くの課題や問題点を提起する2人のやりとりに、メモを取りながら真剣に聞き入っている様子が印象的でした。

※現在『第2回地域福祉推進コロキウム報告書』を作成中ですので、詳しくはこちらをご覧ください。
【お問合せ】
(公益社団)長寿社会文化協会 
〒105-0011 港区芝公園2-6-8 日本女子会館1F
TEL 03-5405-1501 FAX 03-5405-1502

2004年11月 広島で
第3回地域福祉推進コロキウムが開催されます! 詳しくは、こちらから

第2回地域福祉推進コロキウム 当日のプログラムはこちらから

第1回地域福祉推進コロキウム 報告はこちらから


ビデオ『広がる地域の茶の間―人と人とのつながりを求めて』発売中!

地域の茶の間って何だろう?どんなことをしているのかしら?どうすれば自分も関われるのかしら?と考えておられる方にお勧めのビデオです。新潟市で実際に開設されている4カ所のお茶の間の様子と、新しい取り組みの「うちの実家」の様子も紹介されています。そして発案者の河田珪子さんが、そこに至るまでの思いや留意点、その場のふれあいを通して得られる喜びなどを語っています。ビデオを見ていると、まるで自分もそこに参加しているような、こちらの気持ちまで暖かくなってくるような雰囲気が伝わってきます。
ビデオ
『広がる地域の茶の間
  ―人と人とのつながりを求めて』

  • 定価:2,500円(税・送料込/19分)
  • 申込み=WAC事務局 
  • Tel:03-5405-1501 Fax:03-5405-1502 

※このビデオは「地域の茶の間」をできるだけ多くの人に知っていただくために「競輪公益資金」の補助を受けて制作されたものです。

第2回地域推進コロキウム「報告書」ができました

21世紀の高齢社会は、地域で中高年が中心となって、自分たちの手で、安心・安全のシステム作りを進めていくことが基本になってきます。先駆的にさまざまな活動に取り組んでいる方々をお招きして開催したコロキウムの全貌をお伝えします。

  • 定価:1,500円(税・送料込)
  • お申込み:(公益社団)長寿社会文化協会 
  • TEL:03-5405-1501 FAX:03-5405-1502